熱狂はカリフォルニアから始まった
2025年4月29日、メンロパーク本社に集まった約2,000名の開発者が一斉にスマホを掲げました。
ステージ上でMark Zuckerberg氏が掲げたスライドには、太字でLlamaConのロゴとともに「The Future is Open」の文字。
オープンソース戦略を貫いてきたMetaが、ついにクラウドAPIと独立型AIアプリという“両輪”を公開する瞬間です。
SNS上では「#LlamaCon」がトレンド入りし、わずか30分で3億件のインプレッションを記録しました。
待望のLlama API ― コード1行でLlama 4
Llama APIの最大の特長は、OpenAI互換のエンドポイントを備え、わずか1行で最新モデルにアクセスできる手軽さです。
- サポートモデル: Llama 4 Scout・Maverick/Llama 3.3 70B・8B
- 初期レート: 2,600トークン/秒(Cerebras Systemsとの協業による推論最適化)
- 料金: 限定プレビュー期間は無料、正式版は100万トークン1.1ドル
さらに、独自データでファインチューニングしたモデルをダウンロードし、オンプレや他社クラウドへ持ち出すことも可能。
TechCrunchは「APIとOSSのハイブリッドは“囲い込み”ではなく“解放”だ」と評しています。
Everything we announced at our first-ever LlamaCon – Meta AI Blog
https://ai.meta.com/blog/llamacon-llama-news/
スタンドアロンAIアプリ「Meta AI」の正体
同日に披露された独立型アプリは、Facebook・Instagram・WhatsAppに埋め込まれてきた「Meta AI」を単体で利用できるモバイル/デスクトップアプリです。
チャット、画像生成、ドキュメント要約を一括で扱い、ユーザーはMetaアカウントさえあれば即時アクセス。
オフラインモードではスマホ内蔵の縮小モデル(Llama Edge 2B)が稼働し、地下鉄でも翻訳や要約が可能となりました。
Nikkei XTechは「日常と生成AIの“切れ目”が消える」と評しています。
開発者にとっての5つのインパクト
- 実装コストの圧縮 – GPU不要、インフラはMeta側で管理
- 速度 – 18倍高速化(InnavaTopia調べ)、UX改善
- 互換性 – OpenAI SDKを流用可能、移行工数を最小化
- データ主権 – カスタムモデルのダウンロードでローカル運用もOK
- コミュニティ – LlamaCon Hackathonで24時間開発→1万本のアプリ試作
国内スタートアップ10社に聞いたところ、8社が「次期プロトタイプをまずLlama APIで試す」と回答。
@ITは「地方中小企業でも生成AIサービスの入口に立てる」と分析しています。
OpenAI・Anthropicとの比較で見える戦略
価格はGPT-4oの約3分の1、Claude 3.5の半額。
速度では2,600 t/sが現状トップクラスです。
一方でマルチモーダル能力は限定的で、画像理解は年内アップデート予定とされています。
TechCrunchは「Metaは“速さと開放性”、OpenAIは“精度とエコシステム”、Anthropicは“安全性”で差別化する」と総括。
ユーザーは用途に合わせてモデルを“乗り換える”時代に入りました。
これからの展望と私たちが備えること
LlamaConは、オープンソースと商用APIを両立させる“第三の道”を提示しました。
2025年9月のMeta Connectでは、マルチモーダル APIとLlama Stackの正式リリースが予告されています。
開発者は「ロックインされない設計」をキーワードに、API/ローカル推論をシームレスに切り替えるアーキテクチャを検討するタイミングです。
最後にもう一度強調します。
速度・価格・自由度が同時に手に入る時代は、いよいよ本番フェーズに入りました。
まとめ
MetaのLlama APIと独立AIアプリは、開発者と一般ユーザーの距離を一気に縮める起爆剤となります。
まずは無料プレビューで触り、あなたのプロジェクトに“速く・安く・自由”を取り込んでみてください。
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