AIに“魔法”をかける呪文、それがプロンプト
生成AIの性能は、入力する指示――プロンプト――で決まります。
ChatGPT-4o、Claude 4、Gemini 2 Proなど最新モデルが競い合う2025年6月。
モデル間の差よりユーザーの書くプロンプトの巧拙がアウトプット品質を大きく左右すると実感している人も多いはずです。
本記事では、思考の連鎖(Chain-of-Thought, CoT)やRole&Goal法など、今押さえるべきプロンプト設計の定石をわかりやすく解説。
最後にすぐ試せる30プロンプトをまとめました。
今日から“AIに頼むのがうまい人”になりましょう。
生成AIとプロンプトの最新動向(2025年上半期)
大型アップデートが続々
今年3月にOpenAIが発表したChatGPT-4oはトークンコストが半減。
同時にマルチモーダル入力が標準化し、画像や音声を混在させたプロンプトが日常になりました。
モデルは“説明好き”に進化
Anthropic Claude 4は、曖昧な指示でも推測して回答する“協調的補完”機能を実装。
とはいえ、ビジネス文書やコード生成の精度を求めるなら、依然として明確で構造化されたプロンプトが不可欠です。
- 複数手順を示すときは番号付きリストを使う
- 入力文書を <input> タグで囲い、文脈を明示
- 制約条件(語調・分量・出力形式)を箇条書きで指定
詳しくは参考:Cocoo AIコラム
プロンプト作成の黄金ルール7
ルールを知れば半分攻略したも同然。以下を意識するだけで出力品質が安定します。
- Role:AIに役割を与える(例「あなたはプロの編集者です」)
- Goal:目的を1行で宣言
- Context:必要十分な背景情報を付与
- Constraints:文字数・トーン・禁止事項を列挙
- CoT誘導:思考過程を公開させて精度を上げる
- Example:良い例・悪い例を提示し期待値を固定
- Refine:一度で終わらず、差分フィードバックで磨く
「良いアウトプットは、良いプロンプトから」 — LLMのプロンプトエンジニアリング
ケース別・実用プロンプト30選
以下はコピペで使える最新版テンプレ。
角括弧部分を書き換えて活用してください。
- メール返信:あなたは営業マネージャー。
目的は顧客へ迅速かつ丁寧に返信すること… - 議事録要約:あなたはシニア秘書…
- プレスリリース下書き:あなたはPRディレクター…
- 市場調査の質問リスト
- 新規事業アイデア発散
- コードリファクタ
- SQL最適化
- パワポ構成案生成
- キャッチコピー10案
- SEO記事アウトライン
- ペルソナ定義
- ABテスト用見出し
- 画像生成:商品イメージ
- 画像生成:SNSバナー
- 動画シナリオ30秒
- 音声スクリプト校正
- ビジネス契約チェック
- 英→日ローカライズ
- メールのトーン変換
- スプリントプラン作成
- バグ再現手順生成
- ユーザーストーリー作成
- スキルマップ提案
- データ可視化アイデア
- 投資家向けピッチ要旨
- 社内研修クイズ10問
- FAQ生成
- プログラムコメント自動生成
- PowerShellスクリプト生成
- 読書ノート要約
各プロンプトの全文サンプルはGoogleドキュメントで公開中:DEKIRU.AI特設ページ
失敗しないリファイン術:改善サイクルを回す
一発で完璧な回答を期待しないのがプロの流儀。
①ドラフト生成 → ②差分指示 → ③検証 → ④保存のループを高速に回します。
差分指示のコツ
「ここをもっとフレンドリーに」「表はMarkdown不可、HTMLで」など、変更点を列挙形式で渡すとAIが誤解しません。
特に複数条件を同時に修正したいときは、ナンバリングが有効です。
今すぐ試せる無料ツール&リソース
- Promptia:国内最大級の日本語プロンプト共有サイト
- GAZAI Prompt Generator:Stable Diffusion/Midjourney対応
- AI Front Trend:テンプレ18種を解説
- Blue-R Prompt大全:部門別に実例あり
これらをブックマークしておくと、案件ごとに作り直す手間が減ります。
まとめ:2025年の仕事はプロンプトで差がつく
生成AIが一般化した今、価値を生むのは“何を生成させるか”を設計できる人。
本記事で紹介した黄金ルールと30プロンプトを土台に、自分やチームの業務フローへ落とし込んでください。
来年にはまた新しいモデルが登場するでしょう。
しかし「Role→Goal→Context→Constraints」という骨格は不変です。
今日覚えた型を武器に、アップデートの波を楽しみつつ成果を伸ばしましょう。
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