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Microsoft Viva InsightsにCopilot導入ベンチマークが追加

目次

仕事のAIは「どれだけ浸透しているか」を測る時代へ

生成AIの活用は、もはや「使っているかどうか」では語れません。
次の論点は、どこで、どれだけ、どの質で浸透しているかです。
その答えに近づく新機能が、Microsoft Viva Insightsに加わりました。

Copilot導入ベンチマークです。
社内の部門・職種・地域といったコホート比較に加え、外部のベンチマークとも照らし合わせられるようになります。
採用ギャップを可視化し、定着化の一手を素早く打つための土台が整いました。

何が変わる?Viva Insightsに導入ベンチマーク追加

今回のアップデートで、Copilotダッシュボードに「ベンチマーク」機能が追加されます。
コホート別の利用率やアプリ別採用状況が、一目で比較可能になります。
さらに、組織外との比較もできるように設計されています。

海外報道は次のように伝えています。

Microsoft is adding Copilot adoption benchmarks to Viva Insights… cohorts can be compared by manager types, regions, and job functions, including percentage of active Copilot users and adoption by app. Numbers are calculated using randomized mathematical models so no one company’s data is exposed.
The Register

プライバシー配慮のため、乱数化モデルで算出し、特定の企業を推測できないようにするという点もポイントです。
ロールアウトは段階的に進む見込みです。

使い方ガイド:Copilotダッシュボードでベンチマークを見る

アクセスと前提条件

CopilotダッシュボードはViva InsightsのWebアプリ(またはTeamsアプリ)から利用できます。
管理者がアクセス権を付与すれば、ビジネス/エンタープライズのMicrosoft 365ユーザーは表示が可能です。

ダッシュボードを表示するには、有料の Viva Insights ライセンスも Microsoft 365 Copilot ライセンスも必要ありません。データ処理を開始するには、少なくとも 50 個の割り当て済みライセンスが必要で、処理には最大 7 日。
Microsoft Learn

実務での手順イメージ

  • 管理センターでViva Insights Webアプリのアクセスを有効化
  • 対象ユーザー/グループにダッシュボード閲覧権限を割り当て
  • Viva Insights Webアプリ左ペインのCopilotダッシュボードを開く
  • コホート(部門/職種/地域など)でフィルタし、ベンチマークタブで比較

セットアップの詳細は、以下の公式手順が参考になります。

指標の中身と読み解き方

ベンチマークで見られる主なメトリクス

  • アクティブCopilotユーザー率:一定期間に実際に使った割合
  • アプリ別採用状況:Teams、Outlook、Word、Excel、PowerPointなどでの利用傾向
  • コホート比較:マネージャータイプ、地域、職種などの切り口で差分を可視化

社内比較では、同一組織内の偏りが浮かび上がります。
外部ベンチマークでは、同規模・同属性と比べて自社が「先行/後追い」どちらに位置するかが分かります。
ギャップの可視化こそが、この機能の価値です。

注意点:時間指標の解釈

一部の「アシスト時間」系の指標は、利用回数×定数で推計されるケースがあります。
過度に正確な「節約時間」と誤解せず、トレンド相対比較に重きを置くと判断がぶれません。
参考になるコミュニティ知見も出てきています。

プライバシーとガバナンス:安心して比較するために

Viva Insightsは、プライバシー保護された匿名化済みの分析を基本としています。
メールや会議、チャットなどのコラボレーションデータは集約され、個人を特定できない形で扱われます。

Viva Insights は、メール、予定表、チャット、従業員アンケートから得たデータを集約し、プライバシー保護された匿名化済みの職場分析情報を示します。
Microsoft Viva Insights 公式

外部ベンチマークは、乱数化モデルで算出され、特定企業の情報が露出しない仕組みです。
社内のデータアクセス管理は、Viva Insights Webアプリの制御でテナント/グループ/ユーザー単位に切替可能です。

活用シナリオ:採用ギャップ解消からROI測定まで

採用ギャップの特定と是正

部門や職種ごとの採用率を並べると、注力すべき領域が一目瞭然です。
マネージャー層の活用が低い、ある地域だけ遅れている、といった構造的なボトルネックを特定し、的を射たEnablementを実施できます。

定性的データとの統合

活用の「質」を測るには、従業員のセンチメント連動が有効です。
Viva Pulse/Glintのテンプレートは、Copilotの影響をアンケートで測定し、ダッシュボードに結果を反映できます。

ROIの見える化

Viva InsightsのPower BIテンプレートで、導入と業務KPIの関係を分析できます。
MicrosoftはCopilotビジネス影響レポート(プレビュー)も案内しており、営業/サービス/財務/マーケなど部門別に価値の検証が進められます。

導入を加速する実践ヒント

1. コホート別のEnablement設計

ベンチマークで低採用のコホートを特定し、役割別トレーニングアプリ別ユースケースを重点投入します。
プロユーザーをエバンジェリストに任命し、現場主導で横展開を促します。

2. 分析テンプレートの活用

Viva Insightsの定義済みクエリとPower BIテンプレートを使うと、初期構築の負荷を抑えて着手できます。
国内でも、テンプレートとワークショップを組み合わせた支援が進んでいます。

3. 指標の「正しい読み方」を周知

時間短縮などの推計値は方向性を見る指標であることを関係者に共有します。
意思決定は、採用率・アプリ別利用・センチメント・成果KPIの複合で行うと、腹落ち度が上がります。

4. 運用ガバナンスと段階的ロールアウト

アクセス制御やデータ保持方針を明確化し、パイロット→拡大の順で運用を固めます。
段階的ロールアウト中の新機能は、パイロット部門で先行評価し、横展開の可否を判断しましょう。

まとめ:数値を行動に変える

Copilot導入ベンチマークは、採用ギャップの見える化有効施策の優先順位付けを加速します。
社内比較で「どこに壁があるか」を捉え、外部ベンチマークで「どれだけ先行/後追いか」を把握する。
そのうえで、役割別のEnablementとプロユーザーの活用で、定着化の勘所を押さえましょう。

プライバシー保護の枠組みとランダム化モデルにより、安心して比較が進められます。
Viva Pulse/GlintやPower BIテンプレートと組み合わせ、定量×定性×成果をつないでROIまで語れる状態へ。
数字を行動に変える仕組みづくりが、今まさに問われています。

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