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MiniMaxが「M2.5」を発表

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現場を走らせるアップデート、M2.5が来た

MiniMaxの新モデル「M2.5」が公開されました。狙いは明確で、チャットの賢さではなく実務の生産性に振り切ったこと。特にソフトウェア開発やエージェント運用の指標で、前世代M2.1から大きく前進しています。

同社は継続的な高頻度アップデートを前提に、コスト・速度・品質の同時最適化を訴求。社内の実運用でもタスクを大きく肩代わりしつつあるとし、開発現場の「常用可能」な境地に近づけた印象です。

この記事では公開情報を元に、特徴・指標・使い方・導入の勘所まで一気に整理します。最後に導入設計のヒントも添えました。

Scoring 80.2% on SWE-Bench Verified, 51.3% on Multi-SWE-Bench, and 76.3% on BrowseComp… OpenRouter

何が変わった?M2.1からの飛躍

指標で読み解くアップデート幅

公開ベンチではSWE-Bench Verified 80.2%Multi‑SWE‑Bench 51.3%BrowseComp 76.3%。いずれもコーディングとエージェント的推論を測る指標で、高い水準に到達しています。

また推論経路の効率化が進み、ブラウジング系の複合タスクで必要ラウンドを約20%削減。M2.1比で完了時間を37%短縮し、トップモデルの実行速度に肩を並べた点も見逃せません。

…completing the SWE‑Bench Verified evaluation 37% faster than M2.1, matching the speed of Claude Opus 4.6. DeepInfra

コーディングは「仕様から書く」時代へ

Spec‑firstの振る舞いがデフォルトに

M2.5はコードを書く前に要件・UI・APIを設計する“Spec‑first”の挙動が「自然発生」したとされています。これにより、マルチファイルの修正や段階的実装で破綻しにくいワークフローを形成します。

  • 分解と計画:大タスクを段階化し、実装順を最適化
  • UI/API設計:ワイヤーフレームやエンドポイントを明示
  • 検収容易性:受入条件を先に固め、差戻しを低減

学習は10以上の言語(Python/Java/Go/Rust/TypeScriptなど)かつ数十万の実環境で行われ、コード運用の「現場感」が出るよう仕上がっています。

The Spec‑writing tendency of the model emerged during training… plans the features, structure, and UI design… Hugging Face

コストとスピードの再定義

「気にしないで回せる」価格帯へ

M2.5は100 tokens/sec連続稼働で1時間あたり$150 tokens/secで$0.30という目安を提示。加えて100TPS/50TPSの二つのバリアントを用意し、用途に応じた最適化が可能です。

It costs just $1 to run the model continuously for an hour at a rate of 100 tokens per second. At 50 tokens per second, the cost drops to $0.30. MiniMax News

市場比較でも同等級の1/10〜1/20水準という競争力を各所が報告。推論はMoE(Mixture of Experts)総230B中10Bのみを活性させる設計とされ、速度×コスト×品質のバランスが効いています。

API価格は提供者により変動しますが、公開例では入力$0.30/100万tokens、出力$1.20/100万tokensのレンジも確認できます。

Pricing… $0.30 per 1M input tokens and $1.20 per 1M output tokens (pricing may vary by provider). Artificial Analysis

実務の生産性をどう押し上げるか

開発からオフィスワークまで“完了”に寄せる

M2.5は関数呼び出しやWebナビゲーションのタスクで高水準を示し、Word/Excel/PowerPointの生成・操作にも強いのが特長。財務モデルの作成など、成果物ベースで比較しても59%勝率という報告が出ています。

社内運用の事例として、MiniMax本社で全タスクの30%をM2.5が処理新規コミットの80%をM2.5が生成という話も共有されました。実戦投入の深さがうかがえます。

30% of all tasks at MiniMax HQ are completed by M2.5, and 80% of their newly committed code is generated by M2.5. VentureBeat

  • ソフトウェア開発:仕様起案→実装→テストの一気通貫
  • 調査・要約:ブラウズ併用で根拠付きの結論へ短縮
  • ドキュメント生成:議事録、要件定義書、設計書の雛形を高速生成
  • 財務・企画:ExcelモデルやPPT草案を反復改善

使い方ガイド:すぐに試す3ルート

1) マネージドAPIで素早く

OpenRouterAtlas Cloud経由でOpenAI互換エンドポイントから即利用。課金と可用性は各提供者のSLAを確認しましょう。

2) 推論基盤でスケール

DeepInfraなどで高スループットを確保。エージェント運用や夜間バッチなど、長時間稼働のコスト最適に向きます。

3) ローカル/自前環境で

UnslothのGGUFやOllama自己ホスト。セキュリティ要件やデータ主権に合わせた運用も可能です。

最小実装の例(cURL/JSON)

curl https://openrouter.ai/api/v1/chat/completions \ 
 -H "Authorization: Bearer <API_KEY>" \ 
 -H "Content-Type: application/json" \ 
 -d '{
  "model": "minimax/minimax-m2.5",
  "messages": [
    {"role":"user","content":"Write a spec-first plan for a Todo app."}
  ]
}'

注意点と導入設計のヒント

評価・ガバナンス・運用設計をセットで

ベンチは指標の一つに過ぎません。自社コードベースや社内ツール連携での実地評価を必ず行い、回帰や妥当性を継続監視しましょう。M2.5は長文脈・多段推論で強い一方、出力が多弁になりがちな指摘もあるため、プロンプトでの簡潔化ポストプロセスを設けると安定します。

データガバナンスでは、機密の境界設定と監査ログを必須に。ツール呼び出しの安全策(ドライラン、許可リスト、コスト上限)を組み込み、100TPS/50TPSなどバリアントの使い分けレイテンシと費用の最適点を探ると良いです。

  • 実装パターン:Spec‑first→実装→自己テスト→PR作成
  • 品質担保:自動Lint/静的解析/単体テストの強制
  • 費用制御:ジョブ単価と月次バジェットのダブル柵

これからの更新ピッチに期待

“最速で良くなる”前提の設計へ

M2.5はコーディングとエージェント領域で「使える」水準に達し、コストの常識を塗り替える提案をしています。シリーズとしても高速改善が続く前提を掲げ、導入側も継続デリバリー型の運用が合います。

MiniMax M2.5 is the fastest‑improving model series for coding and agentic workflows. Ollama

まとめ:M2.5は、現場の“完了”に寄せたアーキテクチャと学習で、実務生産性を底上げします。特にソフトウェア開発のKPIに直結し、エージェント運用の敷居を大きく下げる存在です。次の小さなPoCから、運用前提の設計に踏み出す好機と言えます。

参考:MiniMax NewsOpenRouterDataCampVentureBeat

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