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農業特化型AIエージェントサービス群「ノウノウシリーズ」提供開始

目次

畑の意思決定を軽くする、新しい相棒の登場

育苗から収穫、販路まで。日々の判断は想像以上に多く、情報も断片的になりがちです。
そこで東大発の農業AIスタートアップが、対話を起点に現場の意思決定を支える「ノウノウシリーズ」を立ち上げました。

生成AI(LLM)を土台に、知識・記録・計画・分析をつなげる設計です。
単なるQ&Aではなく、現場の条件に合わせて動く“エージェント”が、収集・整理・実行を一気通貫でサポートします。

発表は1月27日。国内の農業AIは群雄割拠の兆しが出ています。
栽培の現場で、どこまで実用に耐えるのか。プロダクトの中身から、その期待と課題を読み解きます。

全体像:対話をハブに、知識とオペレーションを束ねる

ノウノウシリーズは、目的特化のAIエージェントを組み合わせる“サービス群”です。
中心にあるのは、対話で状況を引き出し、地域・品目・時期などの前提を踏まえて回答を最適化する仕組み。
そこに記録や計画、画像解析を連携し、次のアクションへ橋渡しします。

  • ノウノウチャット・ノウノウハブ:24時間365日の栽培相談とナレッジ集約
  • ノウレコ:作業・生育・病虫害・資材投入の自動整理と共有
  • ノウプラ:栽培計画・作業計画の作成と優先順位づけ
  • ノウノウビジョン:生育診断/病虫害モニタリングとデジタルツイン

まずはチャット/ハブとノウレコが中心。ノウプラ、ノウノウビジョンは順次拡大(クローズド提供を含む)とされています。
意思決定の「情報→判断→実行」を、分断なく回せるかが鍵です。

プロダクト紹介:4つの役割を深掘り

ノウノウチャット・ノウノウハブ

地域・品目・生育ステージなどの前提を踏まえ、質問の文脈を自動で整えます。
現場用語でも話が通じ、回答は根拠情報とセットで提示。チーム共有の“起点”になります。

ノウレコ

日々の観察や作業を、写真・音声・テキストでとにかく残す。AIがタグ付けし、後から検索しやすい形に整理します。
“気づき”が暗黙知で消えず、振り返りと改善の速度が上がります。

ノウプラ

作業の山谷や人員配置を見える化し、優先順位を対話で調整します。
天候や病害虫リスクの変動を織り込み、計画と実行のギャップを小さくします。

ノウノウビジョン

画像と生育データから状態を推定し、異常の早期検知を支援します。
判定根拠を提示し、次の打ち手へつなぐ“診断→処方”の流れを補助します。

はじめ方と基本の使い方:3つのステップで回し始める

初期セットアップ

  • 栽培品目・地域・栽培方式を登録。既存の営農記録があればインポート。
  • チームメンバーと権限を設定。共有ルールを簡潔に決める。

日々の運用

  • 相談する:チャットで症状・写真・気象条件を送る。候補対策と根拠を受け取り、次アクションに落とす。
  • 記録する:ノウレコで作業・観察・投入資材を“とりあえず残す”。AIがタグ・時系列・区画で整理。
  • 見直す:ノウプラで週次の作業負荷を確認。天気・病虫害リスクを加味して優先度を更新。

現場フィットのコツ

  • 最初は1品目・1区画から。成功パターンを作り、段階的に広げる。
  • 写真と短文メモのセット運用にする。推奨プロンプトはハブで共有。
  • 「判断の根拠」を必ず確認。根拠→対策→実行→結果を一連で蓄積する。

技術の裏側:日本の農に最適化した生成AI

回答の精度と運用性を両立させるため、ナレッジをRAGで参照し、ローカル条件を前処理で正規化する構成が核になります。
チャットの表層では自然対話に見えても、背後では“判断のための文脈化”が丁寧に走っています。

「生成AI技術を活用したAIエージェントサービス群『ノウノウシリーズ』の提供開始…現場の意思決定に必要な情報の収集や整理などを、AIによる対話を起点に支援」
出典:ASCII.jp

「『ノウノウ』は、生成AI(LLM)技術を活用し、24時間365日いつでも農業に関する相談ができる対話型サービスです。」
出典:AgVenture Lab 農辞苑

重要なのは“答えの言い切り”ではなく、根拠・想定リスク・代替案の提示です。
過去の実績データと現行の環境データを突き合わせ、対策後の検証までを一連のワークフローにします。

現場メリットと導入ハードル:リアルを直視する

期待できる効果

  • 判断のスピードアップ:相談→対策→実行が同じ“場”で完結。
  • 記録の自動整理:チームの暗黙知が検索可能な資産に変わる。
  • 計画の実行力:優先度と担当が明確になり、作業の滞留を減らす。
  • 異常の早期発見:画像と時系列の併用で、見落としを減らす。

越えるべき壁

  • データ入力の最初の一歩:写真+短文で“とりあえず入れる”文化を根付かせる。
  • 根拠確認の習慣化:AIの提案は必ず根拠・代替案とセットでレビューする。
  • ネットワークと端末:ほ場の電波とバッテリー計画は実運用の生命線。
  • チーム運用:権限・命名規則・タグの基本ルールを軽量に定める。

エコシステムと最新動向:広がる“農×生成AI”

同社は農林中央金庫グループのAgriweBと連携し、農業特化型生成AIの提供を進めてきました。
今回のシリーズは、その知見を基盤に、現場で回るエージェント群へと進化しています。

「東京大学発農業AIスタートアップ…生成AI(LLM)技術を活用したAIエージェントサービス群『ノウノウシリーズ』の提供を開始…現場の意思決定に必要な情報収集・整理・実行を、対話を起点に支援」
出典:PROJECT DESIGN

公的研究でも、農業特化型の生成AIが社会実装に踏み出しています。
領域特化×RAG×ローカルモデルの流れは、実装の現実解として定着しつつあります。

「農研機構(茨城県つくば市)は国内初という農業生成AI(人工知能)を開発した。」
出典:日本経済新聞

提供フェーズとトライアルの進め方

現時点では「ノウノウチャット・ノウノウハブ」「ノウレコ」が中心です。
「ノウプラ」「ノウノウビジョン」はクローズド提供を含めて順次拡大予定と案内されています。

  • 小さく始める:1品目・1区画でチャット+記録の運用を固める。
  • 指標を決める:相談から対策までの所要時間、記録件数、検索性など。
  • 現場PDCA:根拠の質、提案の妥当性、実行後の結果を週次でレビュー。
  • 段階拡張:ノウプラで作業平準化、ノウノウビジョンで早期検知へ。

価格や正式な提供条件は今後のアップデートに従いましょう。
導入相談は公式の問い合わせ経路から行うのが確実です。

まとめ:対話から“現場の合意”を作るAIへ

ノウノウシリーズは、対話だけで終わらせず、現場の合意形成と実行に寄り添う構成です。
知識・記録・計画・画像が一つの流れで回るほど、意思決定の質は上がります。

まずは小さく始め、根拠を確かめ、結果で学ぶ。
その積み重ねが、作物の安定とチームの自信につながります。
“相棒”に育てるのは、使い手の現場力です。

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